「Two of us」 後編

シナリオ

シナリオ Two of us の後編です。お楽しみください。

皆さんの周りにいるお年寄りも、昔は本を読んで心を動かしていたのだと思います。デジタルの時代ですので、タブレットを買ってAmazonからダウンロードすれば、字を大きくして本は読めます。ただ、お年寄りには難しいプロセスが必要です。そんなデジタルから取り残されそうなお年寄りをサポートしたいと願っています。今後、改善してお年寄りが求めるものを作ったり、配る方法を考えたりしていきたいと思いますが、まずは、自分の父親に渡しているものを流用して皆様に使って頂ければと始めました。アイディアやご要望をもらって、役に立つものを作っていきたいと思います。末尾のPDFは、そんな目的でつけています。

それでは、皆さま向けのシナリオ、Two of us 後編 開始です。

Two of us   (後編)

白黒の映像にし、8mm映写のようながたがたしたフィルムらしい映像。

サインの入ったサーフボードが、ベビーベッドの横にたてかけてある。

優の声 (声だけ前の映像に乗せる)

「ボードは戦争で戦地に行く前に奥さんに渡したものだってことがわかるんだ。

奥さんは妊娠していたんで、自分が戦地にいる間に、子供が無事生まれますようにって。

それで生まれてくる子供の名前をNickと名づけて書いたんだ。」

アメリカのこじんまりとして小さな家。前庭で子供と男の人が遊んでる。

奥さんがドアから顔をだし、二人を家に呼び入れる。3人とも大変明るい  

(引き続き白黒フィルムルック)。3人が家に入ったあと、男の視線の高さに

あるカメラは庭をまわり、家の横に放置されているボードを見つける。

優の声 (声だけ前の映像に乗せる)

「でも戦争が長引いて手紙もなかなか交わせなくなって、で、戦争が終わって

しばらくして家に帰ると子供は大きくなっていたんだけど、家には別の男の人

もいたんだ。子供と遊んだり、奥さんをいたわったりしてるのを見て、それに、裏庭に

落ちてる泥がついたボードをみつけて、この人は、自分が帰るべき場所を失ったと思って、寂しく去っていくんだ。」

○ ケーキを食べる恵の正面からのアップ。唇のわきについたクリームを舌でなめてとる。

恵     「それってあきらめ早くない?」

優の声 「ああ、その点はねえ、この人も過酷な戦争体験で家族との生活に対する

    自信をなくしているってことにしたよ。」

恵     「ふーん」

優の正面からのアップ。

優     「でも、戦争の痛みが消えるにしたがって、やっぱり、家族が恋しくなるんだな。

       それで、10年後に家に戻ると、奥さんが死んじゃったことを知るんだ。で、

     10年前に見た男の人は、奥さんが病気で調子が悪いために助けに来ていた

     親戚だとわかる。」

(引き続き白黒フィルムルック)浜辺でたたずむ男性を背後から映す。

         海からボードを持ってあがってくる青年とすれ違う。青年が持っている

         ボードは、10年前のあのボード。すれ違った青年を振り返り呼び止め、

         歩みよる。

優の声 (声だけ前の映像に乗せる)

   「絶望的な気持ちになって、近くの浜辺で呆然としていると、海から

    サーフィンを終えてあがってくる青年が現れる。すれ違った時、

    少年が持っているボードが、あの10年前のボードだってわかるんだ。

    その少年に走りよってボードをみせてもらうと、なつかしいメッセージが書いてあるんだよ。」

(引き続き白黒フィルムルック)ボードのアップ。10年前のメッセージとその下に別の  

メッセージを映す。そこからカメラが離れて、少年の上半身を映す。   

優の声 「で、この青年が自分の息子だとわかる。ただ、もう少し下の方をみると、

     奥さんの字で From奥さんからその男性宛てで、いつも愛してる。早く帰ってきてね。

     待ってるね。みたいなことが書き加えられてたんだ。これってショックだよね」

○優と恵 堤防:回想

優と恵、堤防の上でそれぞれ頭に手を組みながら、上をむいて寝転がり話している。

カメラは上から二人を映す。

優   「それで、この人が、息子に自分が父だと伝えるかどうかっていうことと、

    この人を探して話を聞いた男性を、奥さんのとこへ戻すか、どうかっていう

    結末を4年後に書こうと思ってるわけ。」

恵   「ふーん、話しを聞いた男性は奥さんとこ戻ってHappy Endだよね、きっと。」

優   「いやー、家に戻ると家に男がいて、ってメビウスの輪状態になっていくのも

    面白いと思わない?」優、冗談ぽく笑う

優    「貸して」と起き上がり、恵から原稿用紙をとって、それを丁寧にジップロック

    にしまい、チェーンが通してある重り入りのボトルにいれる。堤防から

    テトラポットに飛び降り、先の方へ動いていく。

恵    「どうするの?」

優      「4年間封印。こうやってしまって、奥に沈めておく。そのほうが楽しいじゃん。」

○ 優が重り入りのペットボトルを海へ落とすとそれは静かに沈んでいく。

  チェーンの先を水面からかすかに出た釘にしっかりからませる。

  カメラはペットボトルが沈んだあと、テトラポットの上の優と恵の2ショット。

優      「今日は、結構、潮が引いてるけど、この釘は潮が満ちてくると水の中に深く

    入っちゃって全然届かないんだ。4年後の潮が一番引くときに一緒にとりに

    来ようよ。」

恵    「うん。4年後かあ。結構先だね。」

優  「ああ。あっ、そういえばおまえ宛ての手紙も入れといたよ」

恵    「え? 何書いたの?」

優    「4年後のお楽しみ。さ、行こう」

恵    「あ、ちょっと待って」といって、石でテトラポットに鍵の絵を書く。

○お葬式からの帰り

礼服を着ている恵と美紀が二人ならんで歩いている。

恵    「眠ってるみたいだったね」

美紀   「うん。」

恵    「変わらないね。このあたり」

美紀    「久しぶりでしょ。東京は楽しい?」

恵    「うん。まあね」

美紀   「恵がでてっちゃうとは思わなかったな。あんなに海が好きだったのに」

恵    「東京からも海いけるもん」

恵    「で、どうするの? これから」

美紀   「婚約者か、、、なんか中途半端な形で終わっちゃったな。

    付き合ってから日も浅いし、、、優のことは、恵のほうがよく知ってるもんね」

恵    「そんなことないよ。幼馴染だからちっちゃい頃のことはよく覚えてるけど。

            私は、東京にでちゃったし、あの人はこっちで仕事はじめちゃったし。    

    それに、私はサーフィンやめちゃったしね。」

美紀    「思い出の物って持ってる?」

恵     「え?」

○洗面台で持ってきたペットボトルから藻をとる恵の数秒のカットを挿入

恵   「特別、、、みんなでとった写真くらいかな?」

○きれいになったボトルからジップロックを取り出すカットの挿入

美紀      「私も、写真くらい。変な話しだけど、何かほんとに愛されていたの

     かなって思っちゃう。」

恵   「そんなことないでしょ。婚約するくらいだもん。あの人表現力不足だったもんね」

美紀      「なんか愛されてたってものがあればいいんだけどね」

〇ジップロックから小説と手紙をとりだす。小説の原稿をパラパラめくる恵のカットを挿入。

それを机に置いて、手紙をだす。おおきな字で —4年後の恵へ、元気か?—

その下に、”From Yu to Megumi” と書かれたボードのデッサンが描かれている。

その横に—恵、4年たったら、おまえの名前入れてこのボードプレゼントするよ—  

大人になっても今の気持ちのままいたいな。と書かれている。

美紀   「愛されていたって、なんか実感が欲しいな。とっても悲しいんだけど、

        ふっと、過ぎ去っちゃったって感じなの。」

恵     「忘れられる?」

美紀      「んーん。」首を振る美紀。

美紀      「なんかあんまりにも中途半端で逆にふっきれないような気がする。

     終わりのないテレビゲームっていう感じ」

○ 優から恵への手紙のボードのデッサンの挿入

恵     「美紀? 優のボードどうした?」

美紀      「え? 折れた先っぽだけ家にあったよ」

恵     「もとのほうは?」

美紀      「いっしょには出てこなかったみたいだけど、、、どうして?」

恵     「え、うん。ボード大切にしてたから」

美紀      「そうね。いつも洗ってたもんね」

     しばらく黙って歩く二人。突然恵が話しかける。

恵   「ねえ、優がおぼれた場所に行かない?」

美紀      「え。今から?」

恵   「うん。いこう、これから着替えていこう」恵は少し走って、後ろを振り返る。

美紀      「え?」

恵     「ボード探しにいこ。ねえ、早く」

美紀      「恵」

恵     「早く早く」と美紀へ向かって手を振る

○ 海辺を歩く恵と美紀

強い風のなか砂浜を歩く、恵と美紀。恵は棒をもって。

砂浜を歩き、だんだんと堤防・テトラポットのほうに近づいていく

恵  「何もなかったみたいだね」

美紀 「ほんと。優、さびしかっただろうな」

恵  「うん」

地面をみながら歩き回る恵

美紀      「もういこうか?」

恵     「うん、そうだね。もうちょっとだけ探したらいこうか。」

美紀      「もう海に流されちゃってるよ。きっと」

恵     「うん。でも、この海岸引き潮のとき流れが強いから、結構戻ってくるんだよ。」

美紀      「そっか、美紀もここによく来てたもんね」

恵     「あっちのほう探したら帰ろうか?」

美紀      「うん」

恵     「おいしょ」テトラポットにのぼる恵。それを後ろから見つめる美紀

美紀      「恵? 優のこと好きだった?」

恵     「え? 何?」聞こえない

美紀      「うんう。」追ってテトラポットにのぼる美紀

○テトラポットの先のほうに白いボードらしきものが顔をだしている。

恵と美紀は顔を見合わせてそこへ向かう。折れたボードが横たわっている。

ボードをたてて見る。カメラはボードを上からゆっくりと下へ動く。

そこに From Yu—という文字が現れ。カメラがさらに移動し、From Yu to Miki with Loveとすべての文字がでてくる。

カメラは、美紀、恵を映す。

○ 優から恵への手紙のボードのデッサン、From Yu to Megumiの字 を挿入

○ From Yu to Miki with Loveのボードに戻る

美紀      「・・・」びっくりして恵を見る

恵     「ね、やっぱりちゃんと愛してたんだよ」と美紀にほほえみかける

美紀      「・・・」ボードを抱きしめ涙をながす

○ボードを抱きしめる美紀から、カメラが横に動くとそこのテトラポットには鍵の絵がかかれている。恵は一人立ち上がり堤防にあがる。凛とした姿勢。寂しげな顔で海を見上げる。

恵   「優、婚約おめでとう、、、ばいばい、、、ゆっくり寝てね。」

と海にむかって小さい声でつぶやく。最後に「さよなら、、、」とつぶやき優からの手紙を

海へ投げる。恵、一筋の涙。

恵、涙を腕でふいて、深呼吸。ふっきれたように笑顔で美紀を振り返る

恵   「美紀、なんか食べにいこー。」恵、大きな声で叫び、

手をふる。そこで絵が静止になり音楽が始まる。(小柳ゆき Be Alive)

海辺でボードを持って歩く恵と美紀

海を飛ぶ鳥。波。砂(挿入)

優と恵のパドリング(回想、挿入)

優と美紀の砂浜の散歩(挿入)

画面の上半分で、恵、美紀が二人でボードをもって歩くシーン

画面の下半分は、クレジット。音楽の最後で、美紀がボードを立て掛ける。

恵がマジックで、 Two of us とボードに書いて 

カメラがボードによって  波の音

End 

Be aliveのメロディーに乗ってCreditへ
小柳ゆき be alive < #stayhome >

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